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2026.09.24
特定技能制度における「養成講習」とは? 2027年4月1日から支援責任者に新たな受講要件
出入国在留管理庁は、「特定技能制度における養成講習について」を公表しました。
特定技能制度では、2027年4月1日(令和9年4月1日)から、1号特定技能外国人への支援体制に関する制度が改正され、支援責任者に対して、支援能力の向上を目的とした「養成講習」の修了が求められることになります。
養成講習では、入管法や労働関係法令、特定技能制度など、1号特定技能外国人を適正に支援するために必要な知識を学ぶことになります。
ただし、2027年4月1日の施行後も、経過措置により、当分の間は養成講習を修了していなくても差し支えないとされています。
今回は、登録支援機関や特定技能外国人を受け入れる企業が知っておきたい「養成講習」のポイントを解説します。
1.「養成講習」とは?
特定技能制度における養成講習とは、**法務大臣が適当と認めて告示した「養成講習機関」**が実施する講習です。
講習内容には、主に以下のような内容が含まれます。
- ・出入国管理及び難民認定法(入管法)
- ・労働関係法令
- ・特定技能制度
- ・1号特定技能外国人への支援に関する知識
- ・その他、適正な支援を行うために必要な事項
つまり、養成講習は単に特定技能制度の概要を学ぶための講習ではなく、支援責任者が1号特定技能外国人に対して適切な支援を行うために必要な法令・制度上の知識を身につけることを目的としたものです。
2.誰が養成講習を受講する必要がある?
養成講習の修了義務の対象となるのは、**「支援責任者」**です。
2027年4月1日以降、特定技能所属機関は、常勤の役員または職員の中から、外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに、1名以上の支援責任者を選任する必要があります。
また、企業が1号特定技能外国人の支援を登録支援機関に委託する場合も注意が必要です。
登録支援機関についても、支援業務を行う事業所ごとに、常勤の役員または職員の中から1名以上の支援責任者を選任する必要があり、その支援責任者も養成講習の対象となります。
支援責任者と支援担当者の違い
「支援担当者」については、現時点の制度では養成講習の修了が義務付けられているわけではありません。
ただし、出入国在留管理庁は、1号特定技能外国人に対して適正な支援を実施するという観点から、支援担当者についても養成講習を修了することを推奨しています。
3.養成講習は「3年ごと」に受講
養成講習には、一度受講すれば終わりという制度ではなく、3年ごとの受講・修了が必要になります。
具体的には、直近に受講した養成講習の修了日、つまり修了証明書の交付日から3年以内に、再度、養成講習を受講して修了する必要があります。
イメージ
1回目の養成講習を修了
↓
3年以内
↓
2回目の養成講習を修了
↓
さらに3年以内
↓
3回目の養成講習を修了
このように、支援責任者として業務を継続する場合には、定期的に制度や法令について学び直すことが求められます。
4.2027年4月1日からすぐに「修了必須」になるわけではない?
ここは企業・登録支援機関が特に注意したいポイントです。
養成講習の修了義務そのものは、2027年4月1日から始まる予定です。
しかし、改正省令の経過措置により、2027年4月1日以降も当分の間は、養成講習を修了していなくても差し支えないとされています。
つまり、
2027年4月1日=その日から必ず養成講習を修了していなければならない
という意味ではありません。
経過措置が終了する時期については、出入国在留管理庁から改めて案内される予定です。
今後、入管庁から発表される情報を継続して確認することが重要です。
5.養成講習はどこで受講する?
養成講習は、出入国在留管理庁が適当と認めて告示した養成講習機関によって実施されます。
養成講習機関については、今後、出入国在留管理庁のホームページで公表される予定です。
また、講習の日程などについても、入管庁のホームページで案内される予定となっています。
受講を希望する支援責任者は、入管庁からの最新情報を確認し、各養成講習機関へ申し込むことになります。
6.養成講習機関についても公募が始まる
今回の入管庁の発表では、養成講習を実施する機関の公募についても案内されています。
2026年度の養成講習機関については、
募集期間:2026年12月7日(月)~2027年1月8日(金)
とされています。
なお、これは養成講習を受講する人の募集ではなく、養成講習を実施する機関を募集するものです。
養成講習を受講したい支援責任者が、この期間に申し込むという意味ではありませんので注意が必要です。
7.登録支援機関にとって重要な制度改正
今回の養成講習は、2027年4月1日から施行される1号特定技能外国人への支援体制に関する要件の改正の一部です。
今回の改正では、養成講習だけではなく、支援責任者・支援担当者の選任方法や支援体制についても見直されます。
主な変更点は以下のとおりです。
| 項目 | 2027年4月1日から |
| 支援責任者 | 支援を行う事業所ごとに1名以上選任 |
| 支援担当者 | 支援を行う事業所ごとに1名以上選任 |
| 選任者 | 原則として常勤の役員または職員 |
| 支援業務 | 支援責任者・支援担当者に限定 |
| 支援責任者 | 養成講習の修了が必要 |
| 支援担当者 | 養成講習は義務ではないが、修了が推奨 |
| 養成講習 | 原則3年ごとに修了 |
また、登録支援機関については、支援担当者の人数についても新たな基準が設けられます。
具体的には、支援担当者の数が、
「支援委託を受けている特定技能所属機関の数÷10」
を超え、かつ、
「支援している1号特定技能外国人の人数÷50」
を超えることが求められます。
支援責任者が支援担当者を兼務することは可能とされています。
8.企業・登録支援機関が今から確認しておきたいこと
2027年4月1日の制度改正に向けて、企業や登録支援機関は、早めに自社の支援体制を確認しておくことが重要です。
【チェックリスト】
□ 支援責任者を誰にするか確認する
□ 支援担当者を誰にするか確認する
□ 各事業所の支援体制を確認する
□ 支援責任者が常勤の役員または職員に該当するか確認する
□ 登録支援機関の場合、支援している企業数を確認する
□ 支援している1号特定技能外国人の人数を確認する
□ 新しい支援担当者の人数基準を確認する
□ 養成講習に関する最新情報を確認する
□ 養成講習機関が公表されたら、受講時期を検討する
□ 経過措置の終了時期を確認する
特に登録支援機関では、複数の企業から支援業務を受託している場合、支援責任者・支援担当者の人数と業務体制を早めに確認しておくことが重要です。
9.今後のスケジュール
現時点で公表されている情報を整理すると、今後は以下のような流れになります。
2026年9月
入管庁が「特定技能制度における養成講習について」を公表。
↓
2026年10月14日
養成講習機関への応募を希望する機関向けの説明会をオンラインで実施予定。
↓
2026年12月7日~2027年1月8日
2026年度の養成講習機関を公募。
↓
2027年4月1日
改正された支援体制に関する制度が施行予定。
↓
2027年4月1日以降
支援責任者に養成講習の修了義務が設けられる予定。
ただし、経過措置により当分の間は修了義務が適用されません。
↓
経過措置終了後
支援責任者は養成講習を修了している必要があります。
※経過措置の終了時期については、今後、出入国在留管理庁から発表される予定です。
10.まとめ
今回の「養成講習」は、1号特定技能外国人に対する支援の質を高めるための新しい仕組みです。
2027年4月1日から、支援責任者には養成講習の修了が求められることとなり、講習では入管法や労働関係法令、特定技能制度などについて学ぶことになります。
また、養成講習は3年ごとに受講・修了する仕組みとなっています。
一方で、2027年4月1日の施行後も経過措置が設けられており、当分の間は養成講習を修了していなくても差し支えないとされています。
今後、養成講習機関や講習日程などの具体的な情報が公表される予定です。
特定技能外国人を受け入れている企業や登録支援機関は、養成講習だけでなく、2027年4月1日から変更される支援体制全体を確認し、計画的に対応することが重要です。
当社では、特定技能外国人の受入れに関する各種手続きや、1号特定技能外国人への支援について、企業の状況に応じたサポートを行っています。
制度改正に伴う支援体制の見直しや、登録支援機関としての対応についても、お気軽にご相談ください。
【出典】
出入国在留管理庁
「特定技能制度における養成講習について」
出入国在留管理庁「特定技能制度における養成講習について」
出入国在留管理庁
「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について」
出入国在留管理庁「支援体制に係る要件の改正について」
